※この記事に書かれている情報は2014年10月当時のものです。
台風の事故は防げないのか?
先週末、先々週末と連続で訪れた台風18号と台風19号。
案の定、サーファーが流される事故が湘南地域で2週連続で発生してしまいました。
これだけメディアやサーファー同士で台風の波の恐ろしさを訴え続けても、毎年毎回必ず発生する事故。
もはや、サーファーの事故は防げないのでしょうか。
台風が来たときのサーファーの心構えとは?
当ブログのアクセスログを見ても、台風に関する検索キーワードが多く見受けられ、多くの方々の台風におけるサーフィンについての関心の高さが強くうかがえます。
台風時のサーフィンは高い緊張を伴い、非常に怖いものです。しかしサーフィンとは挑戦を楽しむスポーツでもありますので、いつまでも大きな波を避けてばかりではサーファーのプライドも許しませんし、何より楽しくありません。
要はサーファー自身が、
「自分はどこまでの波に挑戦するか?」と、
「自分はどれほどの波だったら入らないか?」
という線引きさえ誤らなければ良いのです。
今回はこの「入る・入らないの私なりの基準」と、「流されないためにはどうすればいいのか?」の2点について私の考えを書こうと思います。
1.入る・入らないの私なりの基準
かく言う私も、まだサーフィン歴10年ほどですし、大混雑したピークの奥からバンバン波が取れるほどのサーフィンスキルを有しているわけでもありません。
ただ、今まで経験してきた台風時のサーフィンから、「こういう時はやばいんじゃなかろうか?」という基準は自分の中にある程度確立されています。
それを最初にまとめますと、
- 波数を見る
- 流れを見る
- 混雑を見る
の3点になります。
1.波数を見る
まず波数です。まだサーフィンできるかクローズかを見極める最も簡単な方法が波数を見ることです。
普段の波のように、4〜5分の間隔をおいてセットの波がやってくるとか、白波がおさまって静かな時間がある程度訪れるとかいう状況が確認できれば、まだ大丈夫ということになります。
2.流れを見る
続いて流れです。これは流れの方向とスピードを注意深くチェックします。注意点は
- 沖から岸へ頻繁にパドルしているサーファーがいないかどうか
- 多くのサーファーがビーチを横に歩いていないかどうか
を確認することで見分けることができます。
特に沖への流れが強い場合はかなりのパドルを要求されますので、例えば自分は20分以上ずっとパドルしていても平気というくらいの自信がない場合は入水を控えたほうがいいでしょう。
また、左右への流れが激しい場合は1本乗ったら無理せずに上がり、歩いてから入り直した方が絶対に安全です。私は横の流れが激しいときは必ずこれを実践します。
3.混雑を見る
そして混雑です。これは要はちょうどいい人数かどうかということです。広いポイントに1人しかいないのも万が一のレスキューの際に不安でしょう。また、真夏の週末の鵠沼のように鬼のように混雑しすぎている状況も人との衝突リスクが増大します。
特にドルフィンする人と巻かれている人との衝突が最も多くあり危険です。できれば1つのピークに5〜7人くらいの人数が理想です。
以上の3点のように、必ずしもこの通りの基準にする必要はありませんが、自分なりにこういう状況は注意する、という明確な基準を設けることはとても大切です。
2.流されないためにはどうすればいいのか?
どれほど注意して入っても気づけば沖に自分だけ……という恐ろしい状況になってしまったらどうするか?
本当に流されてしまったらもう最終手段としてSOSしかありませんが、ここでは転ばぬ先の杖の話を致します。
最も大切なことは「常に陸地を確認する」ことです。
これはもうクルマのバックミラーと同じで、流れが本当に激しい時は海と陸地を7対3、もしくは6対4の割合で陸地側をチェックしてください。
Tバーの先や海の家、背の高いマンションなど、沖に出て波待ちポイントに着いたらまずなによりも先に陸地のランドマークを必ず確認してください。
そしてそのランドマークの位置が大きくずれる前に必ずパドルをして元の位置に戻るようにしてください。
もう一つは「リップカレントを避ける」です。
離岸流の場所は海面がうろこ雲のように不自然に波を打っていますのでそれを見逃さないでください。
ボーっとしてその位置にいますと最悪たった数10秒であっという間に沖に流されて戻れなくなってしまいます。
陸地と同様、海面の様子にも目を光らせてください。
3.「入らない」「上がる」という勇気を
以上のポイントを基本としていても、それでも絶対安全とは決して言い切れません。
最後に本当に自分を救うのは
「今日は波がやばそうだからこのポイントには入らない」
「なんだか波がひどくなりそうだから上がる」
というサーファー自身の決断です。
さいごに
今回お伝えした話はあくまで私個人の経験に基づくものですので、もっと検索すれば他のサーファーの方々の記事を見つけることもできるでしょう。
それらもぜひチェックしていただき、何よりご自身の大切なお命を守っていただけますよう、お祈り申し上げます。