▲Aviso COLE BD3。長さは5'0"。慣れればなんとか普通に乗れる。
▲ボトムはこのようにかなり深くエグられている。フィンはFCSのGAMや写真のようなツインスタビが良い模様。
(※以下の記事の情報は2010年10月当時のものです。)
かねてよりずっと気になっていたこのボードをようやっと入手し、何回か乗ってみた上での印象をお伝えしたいと思う。
まず結論。「決して乗りこなしはラクではないボードである!」
だいたい長さが5フィートしか無いのだ。きちんとおへそでボードを安定させた状態でパドリングができないと、おちおちテイクオフも不可能であろう。
また、カーボンで中空構造になっているために、独特の押し上げられるような浮力感がある。普段のポリエスターのボードに乗り慣れている人ならなおさらのこと、この浮力感に慣れるまでに時間がかかるであろう。
さらにこのボードはテールがギューッと薄くなっており、しかもかなり深いVボトムとなっている。よって、いわゆる「テイクオフの早いボード」には決して分類されないボードだ。
昨今、ヤフオクでもこのボードが多数売り出されているのを見受けるが、恐らく買ってみたは良いけど、結局楽しめずに手放してしまう人が大勢いるのであろう。
もう一度言うが、このボードは絶対にラクチンボードではない。初心者は絶対に買わないことを強くオススメする。
さて、のっけからキツい書き方をしてしまったが、上記を覚悟の上で乗れば、これほど愛着のわくボードは無いかもしれない。
実際、もも~腰サイズから頭サイズの波まで一通り乗ってみたが、意外にもオールマイティに対応してくれる柔軟性を持つ。
しかし、滑走性能やスピードで言えば、自分がいままで乗っていたボードの方がはるかに上だ。それは今でもそう思う。ただ……である。
- 極端に小さいボードであることによる、陸上での持ち運びやすさ
- カーボン素材の強度による安心感
- かわいらしいアウトライン
- 精悍な黒い色
- こんな冗談みたいなボードでサーフィンできた瞬間に味わえる達成感
これらを鑑みれば、所有する価値のあるボードである。特に強度の部分は捨てがたく、ちょっと壁にぶつけたり、フィンを落としたくらいは屁でもない。かすり傷は付くが、性能にはまったく影響しない(はず?)。
今までのポリエスターのボードは、朝に寝ぼけてボードをクルマに積む瞬間にガリッとやってしまい、サーフィンする前からブルーな気分に陥ることが何度もあったが、このボードならそんな心配は無用である。
今後、トリップに行くときも基本的にこのボードだけで十分ではなかろうかと思っている。
Aviso COLE BD3、今大人気のボードらしいので、あえてレビューさせていただいたが、小波から頭サイズくらいの波まで一通り乗ることのできるくらいのサーフィンレベルで、このボードに興味があるのなら、思い切って購入してみても良いと思う。
ただし、何度も言うように乗りこなしは決してラクでは無いので、2回や3回乗った程度であきらめてしまわないで、ぜひこのボードならではの滑走感を味わっていただければ幸いである。